FILE#001 野間大坊の
物語
FILE#001 FILE#001
源義朝、頼朝、徳川家康と
織り重なっていく願い。
一人でも多くの人の記憶に刻み、
文化財を継承していきたい
愛知県知多郡美浜町野間東畠50
鶴林山 大御堂寺 野間大坊
住職 水野 眞圓(みずの しんえん)氏
[PROFILE] [PROFILE]
[PROFILE]
1961年生まれ。大正大学大学院卒業後、高野山での修行を経て、24歳で野間大坊に入寺。51歳で中興(ちゅうこう)の15世 住職に。源平時代を寺秘蔵・狩野探幽の絵とともに分かりやすく解説する「絵解き」が好評。趣味は読書、スポーツ観戦、将棋。
[PROFILE] [PROFILE]
[PROFILE]
1961年生まれ。大正大学大学院卒業後、高野山での修行を経て、24歳で野間大坊に入寺。51歳で中興(ちゅうこう)の15世 住職に。源平時代を寺秘蔵・狩野探幽の絵とともに分かりやすく解説する「絵解き」が好評。趣味は読書、スポーツ観戦、将棋。

1300年の歴史

起点は源義朝・頼朝が紡いだ物語
――親子の情愛

野間大坊(のまだいぼう)の歴史は古く、飛鳥時代は天武天皇(673~686年)御治世の頃、「阿弥陀寺」として建立されたのがはじまりです。白河天皇(在位1073~1087年)の時代には、皇室繁栄を祈願する寺として「大御堂寺(おおみどうじ)」と呼ばれるようになりました。

その後、当寺にとって大きな起点となったのは、源義朝と平清盛が対決した平治の乱(1159年)です。義朝は京から鎌倉方面へと逃げのびるなか、家臣を頼って野間に辿り着きますが、無念にもこの地でいのち果てることとなりました。当寺の境内には義朝と筆頭家臣、鎌田正家のお墓があります。

大御堂寺 本堂
大御堂寺 本堂

その25年後、壇ノ浦の戦いで平家を倒し鎌倉幕府を樹立したのが、義朝の三男である源頼朝です。1190年、初上洛の際は1,100人の御家人とともにまっすぐに当寺に来て、義朝の盛大な法要を執り行いました。頼朝は境内に立派なお堂や五重塔を建て、日々自分が拝んでいた大切なお地蔵様と不動明王を寄進されました。

このお地蔵様は、頼朝が14歳で伊豆に流された際、平清盛の継母である池禅尼(いけのぜんに)からいただいたもの。「毎日拝みなさい。やがて運がひらけるでしょう」という池禅尼の教えを守り、自身の辛い境遇を支え源氏復興を願ったとても大切なものです。信仰心の篤い頼朝は全国に何百もの寺社を建立しましたが、30年間毎日拝んでいた仏像を納めたのは当寺だけ。そこには、父の供養としてこのお寺が続くようにという心からの切なる願い、親子の深い情愛がありました。

大御堂寺
徳川家康と水野家
――戦国武将が祈りを捧げた場

戦国時代になると当時、知多半島を治めていた水野家の所有するお寺になります。大河ドラマにも出てきましたが、徳川家康の母(於大の方:おだいのかた)は水野家の出身。織田信長と徳川家康を結びつけたのは、その兄である水野信元(みずののぶもと)です。私は、この水野信元から数えて14代目の子孫にあたります。水野家には源氏の血もはいっており、家康自身も源氏を名乗っていました。

徳川家康は血縁をとても大切にした方で、一時水野家が絶えた後も復活させ、源氏の子孫であり自らの親戚である水野家が野間大坊を治めるようにと尽力されました。通常、お寺には出さない鷹狩りの免状を当寺に許可したのも、当時の住職と家康がいとこだったから。そうしたエピソードはふんだんにあります。

十二世が遺した、野間大坊の履歴書
十二世が遺した、野間大坊の履歴書

桶狭間(おけはざま)や長篠(ながしの)の戦いなど、まさに激動だった戦国時代にあって神仏に対する武将たちの信仰はとても深いものがありました。当寺のご本尊は源頼朝が何十年も拝まれたもの。非常に思いのこもったものですから、それにあやかりたいという背景もあったと思います。必勝祈願、武運長久、水野家も家康も秀吉も、さまざまな戦国武将が祈りを捧げた場でもあります。

古来より
篤い信仰が根づく知多半島

西を伊勢湾、東を三河湾に囲まれた知多半島は、古来より信仰の篤いところです。伊勢神宮の海を隔てた北東(鬼門)を守る土地としてお寺が数多くあり、篠島(しのじま)では、島で獲れた鯛をお供え物として伊勢神宮に献上する習わしがあります。

今から約50年前、私が子どものころは、八十八か所の霊場を回る知多四国霊場が大変なにぎわいで、二つの札所を持つ当寺にも参拝者を乗せたバスが何台も押し寄せていました。私も手が痛くなるほど納経帳(巡礼地専用のご朱印帳)にはんこを押し続けたものです。

古来より篤い信仰が根づく知多半島
古来より篤い信仰が根づく知多半島

知多四国霊場は1809年、妙楽寺の亮山(りょうざん)和尚が「四国の地と似ているこの場に霊場を開きなさい」という弘法大師様の夢のお告げを聞き、宗派の異なるお寺を一つひとつ回り口説いて、実に16年かけて霊場を開かれました。曹洞宗のお寺に、真言宗の弘法大師様が祀られている、そんな光景はここならではです。十数年前から参拝される方はかなり減ってしまいましたが、知多半島に神仏に対する強い心が根付いているのは、地理的にも歴史的にもそんな理由があるのかもしれません。

プロジェクトへの思い

文化財はお寺専有のものではなく、
みなさんのもの

江戸後期までは当寺の周辺には六つのお寺がありましたが、明治の神仏分離で寺領がなくなり三つが廃寺(はいじ)されました。本寺である野間大坊は檀家を持たないこともあり、文化財の保持や運営はとても厳しい状況です。

当寺には鎌倉、戦国末期、安土桃山、江戸時代まで貴重な文化財や遺物が数多くあります。梵鐘(ぼんしょう)は鎌倉幕府5代将軍の藤原頼嗣(よりつぐ)が寄進した尾張地方最古のもので、残念ながら鐘楼堂(しょうろうどう)の傾きにより昨年末は鐘を鳴らすことができませんでした。徳川義直(名古屋城初代城主)が狩野探幽に描かせた「義朝最期図(よしともさいごのず)」「頼朝先考供養図(よりともせんこうくようず)」の絵も劣化が激しくなっています。これらは国の重要文化財でもあります。豊臣秀吉の伏見桃山城の一部を移築した客殿はすでに400年を経過しました。

「1300年続いてきた当寺を後世に残したい」 「文化財はお寺専有のものではなくみなさんのもの。一人でも多くの方に見て知ってほしい」――そんな思いでこのプロジェクトに参加させていただきました。境内の整備と文化財の修繕にみなさんのお気持ちを少しでもいただければ、これほどうれしいことはありません。

鐘楼堂
鐘楼堂
表には出てこない
偉人たちの物語を伝えたい

長い歴史を持つ当寺は、さまざまな偉人の思いが交差した稀有な場でもあります。だからこそ、各時代の宝物には意味があり、教科書には載っていないエピソードを物語ってくれます。それは目には見えない思いであったり、願いであったり。どちらがいい悪いではなく、さまざまな歴史の出来事の背景には、当時の道理や秩序があり、人となり、考え、決断があります。武将だけではなく、妻も家臣も、みなそうです。運というものもあったでしょう。そういった表には出てこない物語をみなさんにお伝えし、さまざまな角度でともに語り合い興味を持っていただければと思っています。時代は違えど人間の営みに変わりはなく、きっと人生のエッセンスになるはずです。

表には出てこない偉人たちの物語を伝えたい
表には出てこない偉人たちの物語を伝えたい

寺社とは、それぞれの心のふるさと、魂のよりどころです。ご先祖がいて、ご先祖を支えた生業があり、いのちがある。いのちは人間だけではなく、それを支えた動物や植物のいのちもあります。私自身、中興15代目としてお役目をいただいたのは非常にありがたく稀有なこと。だからこそみなさんに末永く愛されるお寺になるために、日々やれることを精一杯取り組んでいく――そのような思いで精進しています。

奇しくも令和五年は源義朝の生誕900年にあたります。このプロジェクトを通じて、偉人たちのさまざまな物語をみなさんにご提供できればと夢をふくらませています。
どうぞ、みなさんのあたたかいご支援をよろしくお願い申しあげます。

みなさんのあたたかいご支援をよろしくお願い申しあげます。
NFT
購入はこちら

野間大坊 NFT PASS

野間大坊NFT PASS
源頼朝の念持仏であるご本尊、
開運延命地蔵尊のお姿を
特別に撮影したデジタルアート

平治(へいじ)の乱の後、伊豆に流された源頼朝の心の支えになっていた念持仏(ねんじぶつ)。源氏復興を願い、何十年も日々拝んできた大切な仏様を、父である源義朝の法要時に納めたのが、野間大坊 客殿のご本尊となっている開運延命地蔵です。秘仏として通常は厨子のなかに納められ公開されておりませんが、今回、お厨子の前に身代わりとして安置されているお前立ち(250年前に製作された複製)を撮影し、お披露目させていただくことになりました。
※念持仏:日常で身につけたり、身辺に置いて拝む仏像

野間大坊NFT PASS
販売NFTの種類と特典

NFT PASSは「体験付き」「体験なし」
2種類があります。
さまざまな購入特典もご用意しています。

護摩祈祷(ごまきとう)体験付きNFT PASS
2024年2月中のご購入で、
狩野探幽の絵をデジタルアート化した
エアドロップを\もう一点/プレゼント!
水野住職の読経に応じて生き物のように燃え上がる炎

水野住職の読経に応じて生き物のように燃え上がる炎

野間大坊の護摩祈祷(ごまきとう)
ー源氏由来の祈願成就の寺としてー

護摩祈祷は、悩みや病気、厄などを火で焼き尽くし、ご自身の願いを本尊様へ届けて聞き入れていただく祈祷となります。当寺において護摩祈祷は戦国時代から行われており、1576年に屋外で行った護摩行の札が境内から出土しました。私自身は十代からひたすらにご祈祷の道を究め研鑽を積んできました。最近は海外の方からの申込も増えています。当寺の護摩祈祷は、大勢ではなく1組単位でとり行います。ご祈祷は20分程度ですが、ゆっくりとご説明やお話ができる時間をとっています。

(15世 住職 水野 眞圓)

【特 典】
  • 野間大坊にて護摩祈祷体験1回付き
    ※1名様分(1組単位での実施)/所要時間60分
    ※遠隔での実施も可。実施後はお札を授与いたします。
  • ご住職からの御礼メール
  • 次回発売NFTの優先購入権
  • コミュニティ限定コンテンツ閲覧およびイベント参加
  • コミュニティ支援企業のサービス割引利用
開運延命地蔵の全身を撮影した貴重な1点 開運延命地蔵の全身を撮影した貴重な1点

<体験付き NFT PASS>
開運延命地蔵の全身を撮影した貴重な1点

護摩祈祷の体験チケットの受け取り・
予約方法はこちらから

護摩祈祷(ごまきとう)体験付きNFT PASS

コレクション:HistoryCollaboID001

限定10枚 33,000円

ご購入はこちらから

クレジット決済がご利用いただけます

NFT PASS(体験なし)
<NFT PASS(体験なし)> <NFT PASS(体験なし)>

<NFT PASS(体験なし)>

開運延命地蔵の柔和な表情に迫った
美しいNFTデジタルアート
【特 典】
  • ご住職からの御礼メール
  • 次回発売NFTの優先購入権
  • コミュニティ限定コンテンツ閲覧およびイベント参加
  • コミュニティ支援企業のサービス割引利用
ご住職からの御礼メールの受け取り方法はこちらから

NFT PASS(体験なし)

コレクション:HistoryCollaboID002

限定15枚 13,000円

ご購入はこちらから

クレジット決済がご利用いただけます

いただいたご支援の使用途について

いただいたご支援の使用途について
1250年、鎌倉幕府5代将軍が寄進した
鐘の音を再び響かせたい

尾張地方最古と言われる当寺の梵鐘(ぼんしょう)は、国指定重要文化財となっています。これまで多くの方に鐘をついていただき親しんでもらいましたが、経年劣化により梵鐘を吊るす建物に傾きが生じ、残念ながら昨年は除夜の鐘を鳴らすことができませんでした。建物の修復にはかなりの金額がかかるため、その費用の一部として充当させていただければと考えています。

鐘の音は、時を告げるだけではなく、心に平安をもたらす浄化の響きでもあります。修復できた暁には、再びみなさんに鐘をついていただき、その音色を感じていただければと願っています。